小腸移植について

 小腸移植は大きく分けて、生体小腸移植と、脳死小腸移植があります。

 

 生体小腸移植では、主に親族から、血液型の一致した人をドナーとして行ないます。

 当然、ドナーも生存のために小腸が必要であるので、移植用に取り出せる小腸も短めであり、小腸の働きに重要なバウヒン弁(回盲弁:小腸⇒大腸への移行部に存在する)を患者に移植する事が出来ません。

 現在、ドナーへの負担、移植腸管が短めになる等の理由から、ほとんど行なわれなくなりつつあります。

 

 脳死小腸移植では、脳死ドナーから行なわれます。この場合、バウヒン弁はもちろん、かなりの長さの小腸を移植出来るため、移植後の経過も生体ドナーよりも良い傾向にあります。

 現在、小腸移植のほとんどが、この脳死ドナーから行なわれています。

小腸移植が困難な理由

 小腸には、首やソケイ部にあるリンパ腺(リンパ節)がたくさん存在しています。人体にあるリンパ腺の60%が小腸に存在するとも言われています。

 

 そのため、免疫反応が非常に強く起きやすく、移植した場合、GVHDなどの拒絶反応が非常に起きやすいです。結果、他の臓器移植に比べて免疫抑制剤の使用が多くなります。

 

 免疫抑制剤はかなり強い薬剤であり、その副作用も多く、一方でその薬効の強さの調整も難しいです。薬剤の効果が弱ければ、拒絶反応が起きますが、効果が強ければ重篤な重症感染症を来したり、副作用により肝臓・腎臓・神経・脳等に障害が出ます。

 

 この様な状況があるため、小腸移植を、数ある移植の中でも一層困難なものにしています。